2024年12月26日 代表が講演しました。
講演テーマ
「認知症と労務管理、ビジネスとの関わり」
- 背景: 認知症患者数が増加する中、企業経営者や診断士が知っておくべき情報を解説。
1. 講演内容
認知症の定義と分類
- 認知症とは:
- 特定の病名ではなく、中枢神経系の障害により日常生活に支障をきたす状態の総称。
- 主な分類:
- 変性疾患: アルツハイマー型、レビー小体型など。
- 血管性認知症、感染症、外傷、腫瘍、栄養障害など。
アルツハイマー型認知症の病態
- 脳の変化:
- 海馬を中心とした脳の萎縮、アミロイドβ蛋白の蓄積、タウ蛋白の異常。
- 初発症状:
- 記憶障害、道に迷う、計画が立てられないなど。
- 進行:
- 側頭葉から頭頂葉、前頭葉へと病変が広がり、認知機能障害が悪化。
認知症の早期診断
- 診断方法:
- 認知機能検査(MMSE等)、脳画像診断(MRI、脳血流SPECT)、血液・遺伝子検査。
- 早期診断の重要性:
- 治療介入のタイミングを逃さない。
- 患者と家族の生活設計に役立つ。
治療方法
- 薬物療法:
- アセチルコリンエステラーゼ阻害薬(ドネペジルなど)。
- NMDA受容体拮抗薬(メマンチン)。
- 新薬(レカネマブ、ドナネマブ)の紹介と効果・課題。
- 非薬物療法:
- 認知トレーニング、リハビリ、生活習慣の改善。
認知症患者の介護
- 介護の基本:
- できることを継続し、できないことはサポート。
- 危険なことは避ける工夫。
- 介護保険サービスの利用:
- 在宅介護支援、デイサービス、訪問看護などを活用。
- 終末期対応:
- 緩和医療(苦痛軽減)やアドバンス・ケア・プランニング。
問題行動(BPSD)
- 主な症状:
- 幻覚、妄想、攻撃性、徘徊、不眠など。
- 原因:
- 身体的不調、不適切なケア、環境要因、ストレス。
- 対応策:
- 環境調整、家族間の役割分担。
- 必要に応じて精神科治療の併用。
2. 認知症とビジネスの接点
- 仕事と介護の両立支援:
- 経営者向けガイドラインを紹介。
- 労働力維持と介護負担軽減の両立。
- 企業の対応策:
- 介護休暇制度の整備。
- 従業員向け介護セミナーの実施。
3. 認知症予防の重要性
- 予防のカギ:
- 適度な運動、バランスの取れた食事、質の良い睡眠。
- 生活習慣病の管理:
- 脳トレや対人交流で孤独を避ける。
- 予防に関する研究:
- FINGER STUDY: 運動、栄養、頭の体操が認知機能低下を遅らせる効果。
4. まとめ
- 認知症患者の増加に伴い、企業や社会全体での対応が必要。
- 中年期からの予防が重要で、日常生活でできる工夫を紹介。
- アルツハイマー型認知症の早期診断と治療の重要性を再確認。