認知症の行動・心理症状に対するブレクスピプラゾール(レキサルティ)の使用方法について、ディスカッションしました。
■ 背景・目的
アルツハイマー型認知症(AD)に伴うアジテーション(焦燥感、易刺激性、興奮)に対し、ブレクスピプラゾールの適応が追加された。有効性と安全性、及び使用に関する印象をディスカッションした。
■ 有効性
無作為化二重盲検試験(BRIDGE試験)や14週の継続試験において、CGI-SスコアおよびCMAIスコアの有意な改善が確認された。
効果は比較的ゆっくりと発現し、長期に持続する印象がある。
■ 安全性と注意点
錐体外路症状(歩行障害、筋固縮、振戦など)や傾眠、嚥下障害などの副作用が報告されており、投与開始後しばらく経ってから出現することもある。
安全な継続投与のためには、以下の定期的な観察が重要:
歩行機能の評価(診察室内での歩行観察など)
嚥下状態(むせ、食事量の変化など)
睡眠・覚醒リズムの変化
■ 歩行解析研究の補足
モフバンド®による歩行解析から、股関節の伸展角の低下(4°以下)が車椅子依存のリスクと有意に関連。
■ 臨床での活用ポイント
効果が出るまで焦らず見守ることが必要。
副作用は遅れて出ることもあるため、効果が見られた後も慎重な観察が必要。
患者個々の状態(活動性、生活状況)に応じて柔軟に用量を調整することが望ましい。
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