4月25日
kowa web seminerにて講演しました。
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主な内容
1. 認知症とうつ病の関連
認知症患者における大うつ病性障害の診断率は約15%前後。
認知症の進行度によるうつ病発症率に大きな差はないが、進行により評価は困難に。
2. アルコールとうつ病の合併
アルコール使用障害者におけるうつ病有病率は約41.6%。
多くは「うつ病後発型(アルコールが引き金)」。
女性は「うつ病先行型」が多い。
3. 症例報告(詳細は控えます)
4. アルコールによる神経伝達物質の影響
セロトニン・ドーパミン・ノルアドレナリンの枯渇 → 抑うつ症状。
HPA軸の過剰活性化 → コルチゾール増加 → 海馬萎縮 → うつ悪化。
GABAとグルタミン酸のアンバランス → 離脱時の不安・抑うつ。
アセチルコリン受容体の変化 → 断酒後の過活動 → 抑うつ悪化の可能性。
5. アルコール性認知症の特徴
前頭葉・海馬・小脳が障害され、記憶や意欲、感情制御に影響。
ウェルニッケ・コルサコフ症候群などと関連。
社会的要因(孤立、家庭問題など)も抑うつを増悪。
6. アセチルコリン仮説
一般的なうつ病ではアセチルコリン過活動が原因とされることがある。
しかしアルコール性認知症では逆にアセチルコリンが低下 → 抑うつ・無気力が顕著。
7. 治療的示唆
認知症のうつには**アセチルコリンエステラーゼ阻害薬(例:アリドネ)**が有効な場合がある。
SSRIはアパシーを悪化させる可能性があるため注意。
症例ごとに柔軟な薬物選択が必要。
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