心の問題というのは、根源的なことだと思っています。もし環境や身体に、不自由があっても、心のもちようで、幸せを得られることができるだろう。そう思って、常に笑って、おかしく、楽しく生きていこうと思っていました。
人生は、楽しいことばかりではなくて、むしろ壁や、逆境だらけです。人の話を聞くことが、苦でなかった私は、ただ他人の話を聞くばかりでしたが、聞いているだけなのに、人が変わっていくということに驚きを感じた経験が沢山あります。
状況が厳しすぎて、落ち込んでしまって、心の病気になって、自分ではどうしようもなくなってしまう人もたくさんいます。心の持ちようで幸せになれるのに、その心自体になにか病気があるのであれば、それは、なんとかしてあげる必要があるのではないか、と思い、精神科医になりました。
精神科医になって、たしかに環境で、心の病気になる人はたくさん出会いました。話を聞く以上に、薬物療法も行いました。しかし、中には脳の病気で心を苦しんでいる人もたくさんいることを知りました。しかも、心に影響する脳の病気は、わかっていないことだらけでした。認知症は比較的わかっている方ですが、治療法はありません。他にも脳の炎症など、わかっていない病気はたくさんあります。医師として脳の病気を探り、可能であれば、治療することまでしないといけない。そう思いながら、多くの臨床経験と、医学研究を進めてきました。気がつけば、海外に留学をしたり、帰国後は、後輩の博士を指導したりと、どっぷり医学の世界にはまっていました。精神科医は偏ってはならないとは言われており、医学以外の音楽の勉強や、経営の勉強など、バランスを取ることもしてきました。心の問題に向き合うためには、すべての知識が有用でした。
心の問題への興味から始まって、いろんなことをしてきましたが、思うのは、まだまだたくさんの人と出会って、たくさんの人の心の問題と向き合いたいという気持ちです。
私は、基本は診療や、研究、教育をしていますが、おかげさまで、いくつかの団体や企業さんが、私の知識や経験が役立つ場面があると言ってくださっています。YUADは、心の問題にかかわるすべての人にとって、お役に立ちたいという想いを形にしたものです。私がしたいことではなく、あなたがしたいことに、全力でお役に立てればと思っています。
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