2021年10月から、アスクドクターズで、認知症について解説する連載の機会をいただきました。無事に最終回を迎えられまして、ご声援ありがとうございました。医学雑誌に論文を投稿する場合と違う執筆経験は、新鮮でした。できるだけ平易に解りやすくと思い執筆しました。編集の越膳綾子さんには、感謝です。
連載は終わったのですが、書ききれなかったことや、雑感もあり、少し振り返りをしたいと思います。
私に与えられたテーマは、以下の6項目でした。
それぞれ、私が、診療で患者さんやご家族にお話する時に、軸とする内容です。診療のときには、患者さん個別の状況がありますので、さらにプラスアルファのアドバイスを行ったり、支援を検討します。
この連載で、繰り返し書いたのは、「その人の人生」を、というワードです。
言うは易し、行うは難し。
診療の場面では、人生をじっくり聞くまでに至れないことが多いのです。ご家族から、もともとどういう人であったか、どういう生活、性格の人なのか、ということは聞きますが、人生のすべてを聞いていくことはできません。また、ご家族にしても、その人の人生のすべてを知っているわけではないでしょう。
だからこそ、臨床の中で、人生について触れることができた時に、貴重な瞬間だなと思います。認知症であっても、今までの人生があったということを再確認します。認知症の患者、ではなく、認知症の人、を見ているということ。これは、とても貴重な経験なんだと思わされます。
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