2024年1月2日火曜日
YUAD3周年
2023年6月13日火曜日
共生と予防
認知症の専門医をして日々臨床をしております。
また、中小企業診断士試験合格者として、認知症予防などを考えるヘルステックなどの支援もしております。
認知症は、年齢が上がれば、誰でもなります。
70代で発症だと病気でしょうか。100歳だったら、むしろ普通でしょうか。
病気と捉えたら、治療が大事。いずれなる運命だと捉えたら、少しでも遅らせることが大事。
病気にならないに越したことはないので、予防は大事ですよね。
一方、これだけ認知症の人がいたら、その人達が共生できるように支援することも大事です。
ヘルステックが、メディカルで、勝負するのは、ハードルが高いので、ヘルスケアに行きがちとは思います。
私も多く支援していますし、認知症予防については、ずっとお話もできます。
でも、困っている人がいたら、なんとか、してあげられる病院というのも、大事な仕事とも思います。
どっちつかずで、中途半端ですが、どっちもできるのは、ありがたいことに思います。
共生と予防のバランスは、常に取らなくてはと思っております。
むしろ、病院外での活動の幅が増えてきて、よけいそう思うようになりました。
2022年9月13日火曜日
認知症の人とどう付き合うか
認知症の人との付き合い方については、相談されることがとても多いです。
分解すると、「認知症」の「人」ですから、認知症自体の特徴と、その人自体の特徴を理解することが必要です。
「認知症」については、一般的には、多くの情報を処理することが難しくなりますから、わかりやすく、大きな声で、ゆっくりと。ということが基本です。
まず、手を挙げて挨拶をすることが多いです。これは、手を挙げることで、耳の聞こえにくい人にも伝わりますし、注意をこちらに向けてもらうということができます。
生活のことや、将来のこと、病気のことなど、詳しく話し合わないといけないこともあるとは思います。
例えば、デイサービスに通ってくれない、というのは、よく聞く話ですが、
細かく話して、説得するよりも、実際に見学にいって、体験するほうが、早いこともあります。たくさん話すと、情報が多すぎて、わからなくなったり、言いくるめられていると、不安になったりします。難聴で、よく聞こえていない、ということもよくあります。
一度で、全部説明しようとせず、焦らないことが大事です。
さて、「人」の部分ですが、認知症になったからといって、それまでの性格がガラッと変わるわけではありません。もともと、内気な人は、認知症になって外交的になる、ということはあまりないでしょう。もともとの、家族との関係も重要です。家族だからこそ、話が通じなかったり、喧嘩になってしまう、ということももちろんあるでしょう。
無理に、家族だけで対応しようとせずに、他の親戚、ケアマネージャーさん、かかりつけの医師、認知症の専門医、など、別のだれかから、言ってもらうほうが、了解しやすい、ということもあるかと思います。また、伝える側が、本当にその人のためを思っている気持ちを持っていることも、コミュニケーションにとっては、重要です。
2022年4月2日土曜日
認知症についてのアスクドクターズでの連載①
2021年10月から、アスクドクターズで、認知症について解説する連載の機会をいただきました。無事に最終回を迎えられまして、ご声援ありがとうございました。医学雑誌に論文を投稿する場合と違う執筆経験は、新鮮でした。できるだけ平易に解りやすくと思い執筆しました。編集の越膳綾子さんには、感謝です。
連載は終わったのですが、書ききれなかったことや、雑感もあり、少し振り返りをしたいと思います。
私に与えられたテーマは、以下の6項目でした。
それぞれ、私が、診療で患者さんやご家族にお話する時に、軸とする内容です。診療のときには、患者さん個別の状況がありますので、さらにプラスアルファのアドバイスを行ったり、支援を検討します。
この連載で、繰り返し書いたのは、「その人の人生」を、というワードです。
言うは易し、行うは難し。
診療の場面では、人生をじっくり聞くまでに至れないことが多いのです。ご家族から、もともとどういう人であったか、どういう生活、性格の人なのか、ということは聞きますが、人生のすべてを聞いていくことはできません。また、ご家族にしても、その人の人生のすべてを知っているわけではないでしょう。
だからこそ、臨床の中で、人生について触れることができた時に、貴重な瞬間だなと思います。認知症であっても、今までの人生があったということを再確認します。認知症の患者、ではなく、認知症の人、を見ているということ。これは、とても貴重な経験なんだと思わされます。
2021年12月16日木曜日
YUAD一周年
2021年12月16日で、YUADは、一周年となりました。
この1年、病院さん、スタートアップさん、その他企業の新規事業開発の方たちと、たくさんお話をさせていただきました。また、連載もさせていただいています。ありがとうございました。
アドバイザーのお仕事をしての感想としては、精神医学の勉強を、別の角度でもう一度しているような感覚です。ニーズを聞いて、一緒に問題点をあきらかにしていくのは、まさにカウンセリングの作業と共通しています。また、心理的に、信頼感、安心感がないと、なかなかよいセッションにならないことも、同じだなと思いました。
もちろん、精神医学の知識、経営学の知識など、専門知識として覚えておくべきこともたくさんありますが、何より私が今まで培ってきた患者さんとの対話、という点が最も大事であると感じます。
精神科研修医のときに、指導の先生から、「処方に逃げてはだめだよ。セッションは一期一会だと思って、次会えるという保証も無いところで、どれだけの出会いになるかだよ。」と指導いただきましたが、重なる部分あるなと感じています。難しいお話もありましたが、一つ一つの機会に取り組みながら、その都度発見があるなと感じておりました。
精神医学は、病気を扱うので、マイナスを、できるだけゼロにしていく(ノーマライズしていく)作業ですが、YUADは、さらにプラスにしていく作業だと思っています。しかし、どちらにしても、人の支援ということでは、大きくは変わりないのかなと感じています。
これからも、引き続き、「あなたの」お役に立てればと思っております。あなたのアドバイザーで、YUADです。どうぞ、よろしくお願いいたします。
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